昨年はかないませんでした卒業式への参加が、今年は大学と至誠会との関係回復がなされたため、従来どうり祝辞を述べ、成績優秀者への至誠会賞贈呈を実施することが出来ましたことをご報告いたします。
4月7日の入学式にも参加予定です。
一般社団法人至誠会 代表理事 齋藤麗子
東京女子医大卒業式 祝辞
卒業生の皆様 ご卒業おめでとうございます。
今までの大学での勉強、実験や実習、そして臨床実習と卒業試験、医師国家試験など様々な苦労を乗り越えて、本日この日を迎えられて、さぞ晴れやかなお気持ちのことでしょう。
ご出席の保護者の皆様にも、この日を迎えられたことには心からお祝を申し上げたいと思います。
また、今までの至誠会へのご協力に感謝申し上げます。
さらに、お嬢様と共に最近の東京女子医大と至誠会に関しまして、いろいろ心を痛められ、ご心配されましたことについて、大変申し訳なく思っております。
私は一昨年六月に新しく代表理事を仰せつかりました昭和50年卒の者です。現在は体制の新しくなりました至誠会の改革に取り組んでいるところで、昨年はかないませんでした卒業式に参加できますことをとてもうれしく思っております。
私が卒業しましたのはちょうど50年前、半世紀前となります。医師の中で女医がまだ、たった一割の時代でした。今は女医の比率も増加し、珍しがられることもない時代となり、皆様も様々な分野でご活躍されることと思います。
皆様は学生の時は準会員として、卒業後は正会員として至誠会に加わってくださっています。今後の海外留学や研究などでは至誠会として様々な助成を行っておりますし、会員向け研修会のお知らせもホームページでお届けしています。卒業生には全国の医療機関や研究施設、行政機関などで頑張っている先輩も多くいますし、子育てと仕事の両立をしながら活躍している先輩もたくさんおります。皆様からのさまざまなご相談が受けられる体制を今後は整備してまいりたいと思います。
先月、野球のシアトルマリナーズで活躍していたイチロー選手がアメリカの野球殿堂入りの二ュースがありました。アメリカで19年間安打数や盗塁数で記録を打ち立てていました。投票者394人中393人の賛成で、満票ではなかったことが話題になりました。イチロー選手本人は「一票足りなかったのはすごく良かった。不完全な中で自分なりの完璧を追い求めて進んでいくのが人生なのだ」と述べていました。彼なりの哲学なのでしょう。
私達は褒められたり、何かで表彰されたりするとそれで満足して止まってしまうことが多いのではないでしょうか。現状にすぐ満足せずに常に追い求める努力は、私をふくめ、皆様にもまだ必要と思います。
私達昭和50年卒のクラスは60歳近くになってからは毎年クラス会を全国各地で開催しています。若い頃は仕事のことや子育ての話題でしたが、後期高齢者となりました最近は、開業をいつ終わろうかとか、病院を子供に託したとか、自分の病気治療のことなど話題が変化してきましたが、会えば学生の頃の名前で呼び合ったりしています。今ここにいらっしゃる卒業生の皆様も6年間苦楽を共にした仲間は一生の仲間です。お互い励ましあっていきましょう。
そして、どうかこれから医師として多くの経験を積んでください。そして長く医師として活躍されることを願っております。
今日の良き日にあたり、卒業生の会である至誠会代表としまして、お祝いを述べさせていただきました。
令和七年 三月八日
一般社団法人至誠会 代表理事 齋藤麗子